2015年4月30日木曜日

クモの科学最前線

1時間限定google mapポチポチ。しかし、mapが新しいバージョンになってしまい、非常に作業がしにくくなり、かなり苦戦を強いられた。

Firefoxでgoogle mapの印が出たり、出なかったりしていたのだが、リフレッシュしたら直った。


哺乳類の実験を新しく始めるための会議、というか面接を受けてから、締切間近の書類を片付けて午前中が終了。

午後、視線卒論×2の相談をしてから会議で司会。ネクタイを締めるようにと学生のような注意を受けてしまったので、ネクタイを締めて出発。

その後、視線卒論の相談、更なる書類書きを片付けてからBurmoniscusの解剖を進めて終了。

先月、琉球大学に行った際に著者に発売されるよと教えて頂いた本。


クモの科学最前線―進化から環境まで (環境Eco選書)

系統分類、行動、分布制限要因、群集と広範囲の最新の知見を知ることができる。とても面白い。

いずれもとても勉強になったが、個人的には、分布制限要因として、局所要因〜景観要因、マクロ要因までしっかりと調べられていることに感心した。

クモは、幼体の頃に糸を出して風にのって長距離移動(バルーニング)する種がいる一方で、それをしない種もいる。そして、この違いがクモ相の成立に大きな影響を及ぼすこととなる。

例えば草地を好む種がいるとする。都市部に緑地公園を作った時、バルーニングをする種は、かなり遠い草地環境から飛んでくる可能性があるが、バルーニングをしない種は公園の周辺に草地がなければ侵入することはない。

したがって、ある環境に生息するクモを制限要因を説明するには、その環境の物理・生物的要因だけでなく、その周辺の環境の評価も重要となるのだが、GISを利用してこれらの解明が試みられている。

基礎研究だけでなく、クモの糸の産業化や生物天敵としての応用研究についても触れられており、クモ学の盛り上がりを感じることができる。

ただ、個人的に勉強をしたかった交尾・繁殖に関する研究が全くないのは残念だった。この分野はあまり盛り上がっていないのかな?

クモ学だけにとどまらず色々なことを示唆してくれるオススメの一冊。

もくじ
1.クモの系統と多様性
2.クモの網の特徴とその機能
3.クモと餌
4.クモと天敵
5.森林とクモ
6.里山とクモ
7.磯や浜辺とクモ
8.水田とクモ
9.放射能とクモ
10.ザトウムシの生息環境
11.糸の活用