2011年7月31日日曜日

偽気管

久しぶりにCubaris論文に没頭。どうにか終了。明日、見直して英文校閲に出せるか。

一カ月ほど、投稿が遅れた最大の理由は、perispiracular areaと呼ばれる形態の記述に手こずったため。

ワラジムシ類は、腹肢の外肢で呼吸を行うので、空気を取り入れるための孔(spiracle)が外肢にある。この孔が1個の場合はmonospiracular、複数の場合はpolyspiracularとなり、重要な分類形質になる、、、そうだ、知らなかった。この孔の周辺をperispiracular area(PSA)と呼ぶ。

ちなみに、ワラジムシ類の呼吸に関わる器官はlungとかpseudotracheaと呼ばれる。生物学事典(岩波書店)によるとlungは、脊椎動物における呼吸器官、腹足類(カタツムリ)の呼吸器官、とされている。多分、生物全般の呼吸器官のことをlungとして良いのだろう。

では、pseudotracheaとはなんだろうか。pseudoは「偽の」という意味なので、またまた生物学辞典で、tracheaを調べてみると、脊椎動物における気道の主要部を形成する管、節足動物の呼吸器官、とされている。そして、それは昆虫では気管と呼ばれ、クモ類では気管の変形物として書肺、ワラジムシ類では白体(偽気管)がある、と書かれている。恐らく、形態学・発生学的に、ワラジムシ類と昆虫では呼吸器官に違いがあり、ワラジムシ類の呼吸器官にpseudoを付けpseudo-tracheaとしたのを、そのまま日本語に訳して偽気管と呼ぶようにしたのだろう。

まとめると、ワラジムシ類の呼吸に関する器官全体を偽器官・白体(pseudotrachea)もしくは肺(lung)と呼び、そのうちの空気を取り入れる孔をspiracle(monospiracular、polyspiracular)と呼ぶ。

Cubaris murina♀の腹部を腹面から見たところ。PSAと書かれたところにspiracleがある。


上のPSA部分を剥がし取り、背中側から観察したところ。凹んでいるのが分かるが、これがspiracleで、1個しかないので、monospiracularとなる。

2011年7月30日土曜日

終わり

とくに何もしていないのに妙に疲れた。中学校の先生向け講習の資料作りをするつもりだったが、そんな元気はない。明日でどうにか、、、。

学生任せのオープンキャンパスでした。高校生にこんな感じでSEM写真を撮影してもらった。

マルコソデダニ。


オカダンゴムシ(マンカ)の頭部。


カブトムシ♀の前翅。

2011年7月29日金曜日

バッタ

オープンキャンパスの準備は完全に学生に任せてしまった。無事に終わった、、、みたい。

Cubaris論文を少しだけ進める。とても重要な形質の撮影が無事に成功。ただし、SEM用PCがウイルス感染してしまい、その除去のため画像が取り出せない状況に。

大学の本屋でたまたま見つけ、買ってしまった。


バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑

基本的に学術書は高い。それほど部数が売れるものではないのでしょうがない。この本、400ページ強で、かなりの種数(具体的な数字は書かれていない)の生態写真が掲載され、写真は2000枚を超えるにも関わらず、2600円という安さ。

基本的なスタイルは、1匹ずつの拡大写真と科ごとまとめられた側面写真。いくつかの分類群では、頭部の写真や線画もある。拡大写真のページに数行の同定に関する記述もある。

専門的に研究するには、線画と詳細な記述が不可欠だが、私のようにバッタの素人には、このような絵合せの方が同定しやすい(当たるかは別として)。

何種類かの鳴き声の収録されたCDもついているが、まだ聞いていない。

2011年7月28日木曜日

水飲み

後日、Hornungの論文で紹介することになると思うけど、ワラジムシ類の水の飲み方、ナカナカ面白い。

この分野、浜松医科大学の針山さん、堀口さんがとてもスゴい成果をあげている。

その成果とは、フナムシの水の飲み方なのだが、フナムシは、第6脚と第7脚を使って水を飲むそうだ。それぞれの脚には、規則的に並んだ突起構造物があって、そこを表面張力で水が吸い上がり、鰓(腹肢)まで届くのだとか。

第6脚の腕節。


第6脚の長節と座節。溝がきちんと繋がっているのが分かる。


拡大するとこのように突起物が規則的に並んでいる。この隙間を水が通る。


節ごとに、突起の構造や隙間が異なり、これもまた水が吸い上がるの大事なのだとか。


そして、本当にスゴいのが、この溝、第6脚は先端〜座節まであり、第7節には基節にのみある。つまり、第6脚の先端から吸い上がった水は、座節まで上がり、その後、第6脚と第7脚が接触した瞬間(瞬間ではないかも、、、)、第7節の基節に移動する。移動する利点は良く分からないが、システムの精密さにビビる。

このようにして水の移動を制御できる。進化は人間には想像できないシステムを作り出しており、これら自然の叡智を積極的に利用することが考えられている。このように生物のシステムを真似る科学をミメティックスと言うんだとか。

とくに、昆虫を中心とした小型の無脊椎動物は多様性が膨大なので、今後の発見が期待されている。電話帳並みの厚さを誇る本が出ている。色々な研究があるな〜と、とても感動できる。


昆虫ミメティックス―昆虫の設計に学ぶ (Advanced Biomimetics Series)

、、、高い。

2011年7月27日水曜日

管理

とうとう授業が終了。来週テストをして終わり。

ボチボチ、ヒノキ林調査が本格的に始動するけど、しばらくは参加できそうにないので、調査道具を全て共同研究者である福岡森林管理署の方々に渡す。車で行くのは初めてだったけど、ヤフードームの近くだった。


この方々が国有林を管理している。こんな仕事もあります。管理署の職員になるには国家公務員試験に合格しないといけないらしい。

大学に戻って、中学校講習の準備を進める。遺伝子データは、なかなか良さそうなのが見つかったが、文章は全く書けていない。PC操作が苦手な人が多かったらこれだけで2時間かかるかも。

明日と明後日で、土曜日のオープンキャンパスの準備を終え、土日で講習会の要旨を終えるしかない。CubarisとBurmoniscusは完全に放置されている。

2011年7月26日火曜日

スゴいでしょ

学生実験が終了。あとは明日の授業を残すのみ。

ということで、しばらく研究に没頭できる、、、と思ったが、そうはいかない。来月末に、中学校の先生向け講習会があるわけだが、その要旨、というか教科書的に使える書類の締切が8月1日だということが判明。これが、とってもシンドイ。

2000円も払って参加するそうなので、真面目にやらないと文句を言われるらしい。5分野行うので、私は400円分。「理科実験大好きスクール」というタイトルなんだけど、それほど面白くない学校で使える実験が受けるとか。ということで、SEMとか、行動実験とかをガンガンやるわけにはいかない、、、。

かといって、プロに教科書の実験を教えてもしょうがないので、、、と悩んでいるうちに、一日が終わった。カブトムシ卒論がナカナカ面白い結果が出た、という報告がなかったら発狂したかも。

数ヶ月前に、とりあえずタイトルを出しなさいということで、こんなタイトルにしてしまった。


やはり、使い勝手の良い、土壌動物を使った無脊椎動物の観察は、やるとして。さすがに2000円支払った人に、これで2時間ひっぱるのは心が痛む。せっかくなので、カエルの解剖動画の紹介をして、配布もする。でも年配の先生は、キット私よりも解剖に詳しいので、あまりこれをひっぱるわけにもいかない、、、。

ということで、一日試行錯誤した結果、分子データで系統樹を書いてみよう、てのを取り入れてみようかと。Clustul WとTree viewだけでやりたいので、外群設定はできない。上手く結果が出る領域を探すがナカナカ、、、。困った。

とりえず、ヘモグロビンのアミノ酸配列でほ乳類内の系統樹は、そこそこ見られるか。


ヒトなんて、チンパンジーとゴリラとほとんど変わらないんですよ〜スゴいでしょ〜、と。

あと、脊椎動物内の系統関係が上手く見られる領域があると良いが、、、。

CubarisもBurmoniscusも手つかず。

2011年7月25日月曜日

修正

先月中に投稿、、、するつもりだったCubaris論文。未だに投稿していない。本日、とある方から、投稿前の原稿を読んでもらってコメントをもらった。

修正がスゴい、、、。第3者に読んでもらうと色々と不備が見つかるもので、、、。また、新しい部位のSEM撮影が必要となった。ということで、標本を早速、準備。明日、撮影できるかな。


昨年に引き続き、今年も科学イベントに参加することに。8月6、7日ということなんだけど、私は7日の昼頃からしか参加できない。「学生だけでも良いんですかね〜」と聞いたら「別に良いですよ」ということなので、ま〜良いか、と。まっ、小中学生に教えるプロを目指している人たちなわけで、そういう意味では、私よりも適任という見方もできる。

昨年と全く同じネタということにもいかないので、色々な人に標本を貸してメールを送ってみた。

その前に、今週土曜日のオープンキャンパスのネタすら決まっていないわけだが。しかも昨年とは若干、方針が変更になり模擬授業をやらなければならないそうだけど、1時間でSEM使うのは、、、。

2011年7月24日日曜日

Hornungの2

今日は、来ない予定だったけど、明日提出の書類があることを思い出してしまった。そして、大学に来て気づいたけど、クモ学会の講演要旨も週明けに提出することになっていた。ということで、一気に書き上げて、明日、見直して提出。

せっかくなので、ヒノキ林調査の準備を少し進めて、ホロタイプを再確認。やはり、幾つかの部位が欠損しており検鏡できない。

昨日の論文の続き。

Surface morphology, perception(体表面の形態と感覚)

ワラジムシ類の体表面には様々な構造がある:papilla-e(乳頭突起 = 表皮細胞が変形した毛)、seta-e(剛毛)、tricorn-s(3分岐状の突起)、microscale-s(微小骨片)、pit-s(くぼみ)、minute plaque-s(微小装飾)、tubercle-s(隆起)、ridge-s(隆起)、pore-s(穴)。これらは感覚器と非感覚器の両方がある。

photo by Karasawa

多様なscale-setae(うろこ状の剛毛)、触角や尾肢のspike(突起?)は陸生ワラジムシ類に特有のもので、陸上生活への適応形質と推定される。

うろこ状、円形、多角形の微小隆起は粘着効果を下げることで、体表面を傷つけるような物質の体表面への付着を防ぐ(?)。

体表面と生息環境には密接な関係があり、Schmalfuss(1984)によって大まかに5つに区分されている:
1.地上徘徊性種は、clinger(動きが遅い、平たく・幅広な体型、太く・短い脚)かrunner(動きが速い、細長い体型、滑らかな体表、長い脚)に分けられる。後者は、原始的な形態と考えられる。*clinger:ワラジムシ属とか、runner;ヒメフナムシ属やBurmoniscus属とか。

2.真の土壌性種は、creeperと呼ばれ、小型で細長く付属肢は短い。球形になる種もいる。表皮からの蒸発率が高いので、湿度の高い環境に生息する。背面に縦に並んだ隆起があるが、それは水との接着面を少なくして、水の表面張力による引力を減らしている(?)。*日本だとナガワラジムシとか。

3.完全に丸まることの出来る種をrollerと呼ぶ。*いわゆるダンゴムシ。

4.spiny(トゲだらけ)は、リター層の外に生息する。*日本にはいない?

5.上記の5タイプに含まれないタイプをnon-conformistと呼ぶ。

これらの形態がそれぞれの環境への適応形質であることは、ミネラルの分配様式がそれぞれで異なることからも支持される。

湿度は、第1触角のaesthetask(化学受容神経のある小さい毛)と2触角の鞭状部で認識される。

第1触角の縮小は、耐捕食戦略として進化した。

ワラジムシ類は昆虫よりも耐乾燥性が低く、湿度の変化には行動することで様々な陸上環境での生息を可能にしている。

ワラジムシ類の分布は、それぞれの種の生態的耐性と適した環境の分布に依存する。

「メモ」
1.体表面構造の名称の定義が良く分からない。とりえあず、
毛のように見える:papilla-e、seta-e、tricorn-s、
突起構造に見える:microscale-s、tubercle-s、ridge-s、minute plaque-s
穴構造に見える:pit-s、pore-s
という理解。
2.Schmalfuss(1984)の区分は、eco-morphological strategyと呼ばれ、とても有名な考え。creeperの背中の隆起は、水にトラップされないため、というのは面白い。creeperは土壌性で小さいので、水の表面張力でさえ厄介なのだろう。

2011年7月23日土曜日

Hornungの1

昨日、今日と、とても涼しい。こういう日に調査に行くべきなんだと思った。

8:00から免許状更新講習のサポート。受付のときだけ会場に居て、あとは研究室で待機。とくに問題は起こらず。

最近は、ずっと種分類問題ばかりやってたので、気分転換にと思い、ワラジムシ類の進化に関する総説を読んでみることに。

Evolutionary adaptation of oniscidean isopods to terrestrial life: structure, physiology and behavior
Hornung(2011)Terrestrial Arthropod Reviews, 4, 95-130

この論文、大きくは、形態・生理と生態に分かれている。まず、形態・生理から始まるのだが、ことごとく単語が分からない。他の論文を参考して読んでみるが、1/3も進まず、終了。余計にストレスのかかる一日となった。

Morphological and physiological adaptation(形態と生理の適応)
Cuticle(表皮)

exoskeleton(外骨格、クチクラ)は、外側から、epicuticle(上クチクラ)、exocuticle(外クチクラ)、endocuticle(内クチクラ)、innermost membranous layer(= hypodermis? = 下皮?)から成る。


上・外・内クチクラは、結晶・非結晶の炭酸カルシウムを含み、石灰化している。

ワラジムシ類の表皮の構造は海産甲殻類とほぼ同じだが、ロウ層とセメント層があるのが特徴である。これらは乾燥への適応と考えられる。*図には描かれていない。上クチクラの上だと思う。

脱皮は、まず、後半分を行い、その後、前半分を行う。

脱皮前、体の後半分の表皮のカルシウム(炭酸カルシウム、リン酸カルシウムとして)は再吸収され、前半分やhaemolymph(血リンパ)などに保持される。脱皮終了後、そのカルシウムは再利用される。また、脱皮殻を食べミネラル分(無機物質)を再利用することもある。

脱皮中のミネラル動態などは種間で差異がみられる。

「メモ」
1.cuticle(表皮)とexoskelton(外骨格)は同義として使用して良い?
2.外クチクラと内クチクラはキチンを含み、procuticle(原クチクラ)と呼ばれる(節足動物の多様性と系統)。
3.キチン:多糖の一種。真菌類の細胞壁にも含まれる。これを分解するには、キチナーゼが必要。

2011年7月22日金曜日

増えると

たまにヒノキ林調査の準備を入れつつ、Burmoniscus論文に没頭。とりあえず版が完成。英語はかなり無茶苦茶で、流れが決まったという程度。ここからが本当に苦労する。また、ホロタイプの状態が悪く、観察できない形質があるので、この扱いも難しい。

何か忘れているな〜と思ってたけど、気づいてしまった。明日、免許状更新講習サポートだった。また、朝8:00から大学に。先週はすっぽかした受付手伝いもしなければ。


生きもの異変 温暖化の足音

先日、大学の本屋でたまたま見つけた本。タイトルが面白そうだったので買ってみた。

どうやら産經新聞に掲載された記事のまとめらしい。タイトルの通り、地球温暖化に伴う色々な生物相の変化を紹介している。

新聞記事なので、当然、引用はない。本格的な研究成果もあれば、最近は変わったよね〜、という感じの記事もある。少し期待はずれだった。

でも、勉強になった記事もいくつかあった。とくに興味深かったのは、地球温暖化で海洋生態系の生態系ピラミッドが変化し、大型魚が減る、という記事。水産総合研究センターの研究らしい。

生態系ピラミッドという言葉は、高校生物で習うのだが、生産者、一次消費者、二次消費者、、という、いわゆる食物連鎖を量で表したもの。


生態系ピラミッドで大事なことは、上の段階は下よりも「かなり」量が減ってしまう、こと。呼吸などでエネルギーを消費するので。

現在の日本近海の生態系ピラミッドは4段になっているそうで、その頂上に私たちが食べるマグロとかブリなどの大型魚がいる。地球温暖化が進むと、海水の(上下の)循環が無くなり、そうすると、現在の生産者である大きめの植物プランクトンは維持できなくなり、その代わりに、小型の植物プランクトンが生産者になるそうだ。

そして、生産者が小さくなったので、今はあまりいない、小さな植物プランクトンを食べる小さな動物プンクトンが一次消費者として新しく生態系ピラミッドに加わることになる。それ以降は、現在と同じ。つまり、食物連鎖が1段増えて、5段になる。生産者の量は、光エネルギーと有機物量で決定するので、現在と同じ、、、結局、1段分ロスが増え、頂点の大型魚は減少するらしい。大雑把な計算だと10分の1になるのだとか。

なかなか複雑。

生態系は複雑で、まだ、研究者が完全には理解できておらず、風が拭けば桶屋が儲かる的な間接経路が沢山ある。また、多少の環境変化であれば耐えることができる。これをキチンと理解することが大切だと思った。地球温暖化にしても、外来種にしても、今はあまり影響がないような気がしていても、気づいたときには手遅れになるのかも知れない。影響が完璧に分からないのであれば、何もしない、のが生態系保全で重要なことだと思う。

2011年7月21日木曜日

右、左

これから本格的に始まるヒノキ林調査。今年は、毎木調査を行うので、その打ち合わせ。ほとんど毎木調査をしたことのない私が、全く経験のない共同研究者に教える、という不安な関係。色々な本を参考にとりあえず挑戦してみることになった。

来週から調査を開始する、ということになったので、急遽、ラベル作りを行うことに。とりあえず1000枚、、、足りないかも。想像以上に時間がかかることが分かったので、学生にも手伝ってもらうことに。そのおかげで、400枚弱完成。


8月に鳥取大学で開催される日本クモ学会のプレシンポで発表させてもらえそう。

鳥取大学と言えば、ザトウムシの系統地理で有名な鶴崎先生がいる。実は、大学生のとき、日本の昆虫地理学という本に鶴崎先生が書かれた「ザトウムシにおける地理変異の様式」を読んで、とても感銘し、実際に会いに行ってしまった。当時はメールがそれほど普及していなかったので、ハガキを送ったのを覚えている。ついでに鳥取砂丘にも連れていって頂いた。



ザトウムシは種内で核型が著しく変異しており、種内で染色体数に変異がみられる種もいる。染色体の数って種によって決まっていると思っていたので、当時、とてもビックリしたのを覚えている。

6月の日本動物分類学会で久しぶりに再会したのだが、その時にサソリモドキの発表を聞いて頂き、それを覚えて頂いたようで、今回、発表をさせて頂けることに。私にとっては憧れの研究者の前で発表するわけで、、、。といってもこのネタ。学生の研究なんだけど。

「鳥取は島根の右」で検索した方が、「島根は鳥取の左」よりも若干ヒット数が多いことが判明。でも、ほぼ同数なのか。


おっ、「鳥取は島根の左」でも、ほぼ同数だった、、、。

2011年7月20日水曜日

話題の

何だか色々とバタバタした一日で、Burmoniscus論文は全く手つかず。

といつつ、どうでも良いことを調べてしまった。最近、話題の電解アルカリ洗浄水。とくにコンロなどの油汚れで威力を発揮するとか。

ただ、水関連の商品は怪しいものが多い。と思いつつ、私も激しく汚れたガスコンロで試してみることに。確かに、界面活性剤を含む普通の洗剤とは違う感じで、洗浄力もナカナカ高い気がする。

ナゼ?

道ばたで偶然、出会った化学の先生に聞いてみるが、そのモノを見たことがないので、すぐには分からないとのこと。ただ、エセ科学だ!といって評判にはなってないそうだ。

考えられるのは、洗浄効果を高める物質がコッソリと入っているか、アルカリ性物質が油汚れに強いか、の2つか。成分は、電解アルカリ水100%と書かれている。


一応、pHを測ってみた。12。かなりの強アルカリ性。測定完了のマークがカワイイ。


Wiki情報だけど、「油汚れはアルカリ性にするとその一部が加水分解され脂肪酸アルカリ金属塩となり界面活性剤の役割を発言する」とのことなので、どうやら強アルカリ性であることが重要らしい。

ヨクヨク考えてみると、アルカリ性洗剤って昔からあったな。酸性洗剤とは「まぜるな危険」ってやつ。そもそも「まぜるな危険」の原因は、アルカリ性洗剤のアルカリ性が次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、酸性洗剤の酸性が塩酸(HCl)によって作られているので、混ぜてしまうと

NaClO + 2HCl → NaCl + H2O + Cl2(塩素ガス)

という反応が起こり、塩素ガスが発生することにあるそうだ。

電解アルカリ水は水を電気分解して作るらしいので、上記のような反応は起こらないだろう。そもそもは水なので、他の物質を含む洗剤と比べて副作用は少ないとは予想される。ただ、専門家ではないので良く分かりません。試して、死んでも責任はとりません!

たまに、水100%と言ってるのがあるが、水100%だったら電気は通さないと勉強した記憶があるが。

2011年7月19日火曜日

地図

学生実験×2、授業の準備×1。学生実験×1は本日で終了。少しずつ授業が終わっていく。良いことだ。

合間にBurmoniscusの原稿書きを進める。5%ぐらい終了か、、、。

地理分布なので、地図が必須。地図はGMTで作成するが、これまた完全に使い方を忘れた。左上が思いっきり空いてる、、、。修正しないとダメだろうな。


もっとカッコいい図にしたいのだが、ナカナカ言うことを聞いてくれない。頑張ってデフォルト値とかいじってみたけどダメだった。

ちなみに、昔はよく「沖縄本島」という名称が使われていたが、本来は「沖縄島」。ただ、英語表記となると、以前からの悩みだが、「Okinawa Island」か「Okinawajima Island」のどっちを使えば良いのか、、、私は後者に統一している。

2011年7月18日月曜日

解剖と視聴覚

車を修理に出そうと、開店するであろう時刻に車屋に行ったら、やっていない、、、。3連休は休みのようで。今週の土曜日まで放置せざるをえない。

Burmoniscus論文を地道に進めた。図は全部で10枚。想像以上のヴォリュームになった。

少しだけ明日の準備。先週、行った解剖実験。実は、学生の理解度も実験していた。人間も動物なので、私の興味の対象である。

解剖を否定する意見の中には、解剖を行うと作業に没頭してしまい理解度が下がる、というものがある。そこで、学生を半分に分けて、半分は解剖、半分は視聴覚教材として動画を見せ、終了後、臓器の名称を答えさせ、解剖と視聴覚教材による理解度を調べた。


で、結果、9問の設問に対する正解数の平均±標準偏差(人数)は、

中高校の先生を目指す人:解剖8.1±1.1(16)、視聴覚教材7.3±1.4(13)
小学校の先生を目指す人:解剖7.5±1.2(18)、視聴覚教材6.7±2.0(17)

だった。ともにWilcoxonでは差がないが、平均値は解剖の方が高かった。なかなか興味深い結果だと思う。ともに0.8違うのか。何か法則性があるとスゴいけど。

ただ、この実験、色々と反省点が残った。

まず、授業内容や学生への周知度を同じにするため、授業は同時並行で行い(私が解剖を担当、大学院生が視聴覚教材を担当)、どちらの授業でも、筋肉を開き脂肪体を外した時点で、臓器を確認しながら図を描かせた。また、説明する臓器も同じにするように事前に相談しておいた。しかし、解剖は、臓器がすぐには見つからないので、作業中に色々と質問があり、当然、それに対応するため、視聴覚教材よりも教える内容は増えたと思う。

また、解剖は、死んだ個体では胆のうが確認できなかった。生きた個体も2〜3個体実験しており、その個体では胆のうが確認できたが、全ての学生がそれを確認していないと思われるが、理解度テストでは胆のうも質問してしまった。しかし、正当率は、解剖26/34、視聴覚教材20/30、と差はなかった。

良いように考えれば、解剖は学生もミスをしたくないので、視聴覚教材に比べて慎重になり、その結果、質問が増え、それが理解度に繋がるのかもしれない。

あと、初等と中等で0.6ずつズレが生じているのも興味深い。

他にも色々とアンケートを集めたので、もう少し面白い議論ができるかも。

こんなこともやってます、、、。

2011年7月17日日曜日

放棄

採用試験どうだったのだろうか。結果は8月中旬か。

免許状更新講習サポートのため、8時から研究室で待機。と、思ってたけど、どうやら受付手伝いに行かないといけなかったらしい。結局、働いたのは17時から認定試験の配布と回収。ということで、本日は、学生だけでなく、現職の教師も試験を受けていました。

やるべき任務を放棄して没頭したおかけで、Burmoniscus論文の画像整理は終わった、、、気がする。

昨日も載せたけど全体図。左から、与那国、西表、石垣、宮古、そして、沖縄。倍率を揃えてあるので、体サイズが大きく異なるのが分かる。


これを箱ヒゲ図にしたのがこれ。


右の沖縄島は、他の4島と重複がないほど小さい。しかし、宮古は小さい傾向があるが、与那国、西表、石垣の小さい個体と重複してしまう。議論のしがいがありそう。

系統樹も完成。沖縄島は先島諸島から大きく離れる。


ということで、解析関係は大体終わったかな。あとは、文章書き。これが苦労するわけだが。

これまでImage Jで、JPG保存すると画質がかなり悪くなっていた。キット圧縮率の問題だろうと思ってたけど、ここに載せるときしか使わないので、ま〜イイヤと。今日、コニョコニョしているうちに解決した。ということでメモ。

「Edit」⇒「Option」⇒「Input/Output」⇒「JPEG Quality」の値が圧縮率みたい。数値が大きいほどキレイに保存できる。

大学まで徒歩数分のところに生息してるので、あまり車に乗らないのだが、、、久しぶりに乗ったら、何か点滅している。何だろうこのマーク、、、確か、サイドブレーキだった気が、と。ちゃんと解除してるのに、ナゼ?

ネット検索したら結構、同じような悩みを持っている人がいるようで、どうもブレーキオイルなるものでが減少してくると起こるらしい。修理が必要だとか。すぐに直るかな。「修理必要ですね。でも、ちょうど今、台車ないんですよ。」って言われて、この暑さの中、徒歩で帰ることになるのが怖い。

2011年7月16日土曜日

似てますね

午前中に配達予定の郵便がちょうど12時に到着。午前が潰れた。ということで、昼過ぎに大学へ。昼過ぎにくるのが、土曜日の定番になりつつある。明日は、朝から研究室に待機するという任務が、、、。

私が努めているの学校の学生は、その多くが将来、小中高校の先生になる。公立の小中高の先生になるには、教員免許を取得し、かつ、地方自治体が行う教員採用試験に合格する必要がある。そして、その教員採用試験は、7月の土日に行われる。近隣する自治体を併願できないように、地域ごと日程が決まっているのだが、九州は今週末。ということで、私の研究室の学生も皆、受験へ、、、。これに合格すると2次試験というのがあって、小学校の先生を目指す人は、体育とか音楽もやるそうだ。週明けには、気楽になっているか、、、。

さて、今日は、全体写真に挑戦。ナカナカ上手くいかない。まだまだ勉強が必要。左から、石垣島産、西表島産、与那国島産、宮古島産。似てますよね。ということで、ワラジムシ類は、解剖しないと種同定ができないんですね、残念ながら。


そして、ホロタイプも観察。


種同定するには解剖する必要があるので、当然、ホロタイプはこんな感じにバラバラになっている。足りないパーツもありそうだけど、、、。


ただ、この標本はかなり古いので、全てのパーツをまとめて入れてあるが、最近のは、パーツごとに別けて瓶に入っており、もっと観察しやすいらしい。

2011年7月15日金曜日

スズメですが

1日中、Burmoniscus論文に没頭。と言っても、SEM画像の撮影・編集と統計処理だけ。統計処理については、恐ろしく忘れていて、何もできなかったし。

顎脚で、あるべき形態が与那国島のサンプルだけ発見できない。標本作製のミスか、それとも無いのか。だとすると話はかなり厄介なことになる。再度、3個体標本を準備してみる。明日、撮影できるか。ということで、SEM画像はこの1枚が残った。

朝、大学に来るとき、将来、音楽の先生になる人たちが集う教棟周辺で、毛虫が大量に道路を闊歩していた。


出どこは何処だろうと、周辺の草を探していたら、スゴい勢いで食われている草があった。


どうやらフクラスズメという蛾の幼虫らしい。「たまに大発生し、食草を茎だけの丸坊主になるまで食い尽くした上で周辺の地上を徘徊することがある」だとか。まさにその通りだった。

2011年7月14日木曜日

カラーと矢印

googleで「アフリカツメガル 逃亡」で検索すると一番最初に検索されるようになってしまった、、、。外来種問題の逸出導入の例として使われないだろうか、、、。


今日は、途中ゼミをはさんで、ずっとSEM画像の整理・編集と標本の作り直しに没頭。画像の整理・編集はGIMPを使っているのだが、PCが苦手な私は、単純な作業でも色々と手こずる。

覚えたことをメモ。

まず、昨日は赤枠が描けたのに、今日は、カラー表示ができない。キット、カラーの指定がどこかにあるのだろうと思ったけど、良く分からず。ネット検索で解決。

画像がグレースケールになっているとカラーは使えない。


解決策は、「画像」⇒「モード」⇒「RGB」をチェックすれば良い。ナゼ、カラーが必要だったかというとこんな図を作りたかった。


実は、カラー問題以上に厄介だったのが、矢印。GIMPはパワーポイントのように矢印を描く機能がない、ことに初めて気づいた。

またまたネット検索した結果、「Draw arrow」というのを「プラグイン」すれば矢印がお手軽に描けるらしい。プラグイン、、、どうしたものか。これまた色々と調べたあげく、「Draw arrow」のHPから「arrow.scm」をダウンロードして、GIMPの「scripts」に入れるだけ、ということが分かったのだが、「scripts」どこ?って状態。

多分、私のやり方に問題があったのだと思うけど、「移動」⇒「フォルダへ移動」を使って、「scripts」に入れたら上手くいかなかった。

GIMPのフォルダを調べるには、「編集」⇒「環境設定」で調べられる。



これで「スクリプト」の場所を調べて、その通りに地道にクッリク、クリックで進んでいき「scripts」に「arrow.scm」を入れる。


そしたら、「フィルタ」⇒「Script-Fu」⇒「スクリプトを再度読み込み」をして、「ツール」に「矢印」が出現したらOK。


実際の使い方は、パスを2点決めて(始点と終点)、「ツール」⇒「矢印」をすれば良い。数値を変えると色々な矢印が描ける。


ナカナカ楽しい。

2011年7月13日水曜日

あきらめて

締切書類を無事に提出。授業も終了。これで、来週の火曜日まで自由。

投稿用にSEMの整理を進める。


不足分を撮り直し、、、と思ったらSEMが不調。悪銭苦闘して、どうにか復調の兆しが見えてきた。でも24の時間、、、。今日は諦めて帰ることに。