2011年3月31日木曜日

さくら

知らなかったことにしよう作戦は、やはりマズいだろうということで、初期消火法についての相談。無駄だ。

Cubarisの論文化が(珍しく)順調に進む。形態の記載は一通り終了。シノニムの論文は初めて書くので、イントロの書き方が良く分からない。必要そうな文章を箇条書きにして、とりあえず終了。DNAの実験をしなければならないことに今頃、気づいた。明日から開始するしかない。キットがないかも。

今日で3月も終わり。ぼちぼち新学期が始まってしまう。卒業・入学シーズンといえば桜。桜についての興味深い研究成果が3月9日の毎日新聞に載っていたので紹介。


桜の名前で良く聞く、「ソメイヨシノ」とか「しだれ桜」などは、種ではなく、品種である。品種とは種をさらに細かくグループ分けしたものであり、植物ではそれに対応した学名を付けることができるが、動物は、品種に対して学名を付けることはできない。それぞれ、国際植物命名規約と国際動物命名規約で決められている。例えば、牛の「ホルスタイン」と「黒毛和牛」は品種であるが、それに対応する学名はともに「Bos taurus=ウシ」。

そして、日本には、「さくら」と呼ばれる品種が300種以上あるそうで、色々と品種改良しているうちに訳が分からなくなってしまったらしい。そこで、DNAを使って整理しましょう、と。

その結果、「ソメイヨシノ」と「八重紅枝垂」は同じ品種であることが判明。一方、「枝垂桜」には複数の品種が含まれていることなどが分かった、とのこと。

2011年3月30日水曜日

正真正銘

厄介書類が再燃。今回は、限界を超える程、厄介な状況にまで拡大する可能性が出てきた。それだけは絶対に避けなければならない。初期消火について緊急の話し合い。知らなかったことにしよう、、、という作戦に。

5月の土壌動物学会で、本研究室の学生が1名、本研究室の学生として初めて学会発表を行う。ぼちぼち講演要旨を書かないとマズい。ということで、とりあえずデータを解析したみたら、ナカナカ面白い結果。もう少しデータが増えて欲しいところだが、このままでもどうにかなるだろう。

自分の講演要旨は全く手つかずのまま放置して、Cubarisにとりかかる。論文自体は、日本産の種がとある種のシノニムでは?という単純な内容なんだけど、そもそも、Cubaris属自体が怪しいという問題があるので、属の特徴についてもキチッと説明しておく必要がある。文献の整理が終わった頃には15時を過ぎてた、、、。

でも、おかげで概要は掴めた気がする。あとは実際に文章にしてから色々と修正した方が早いだろう。

頭部の様々なパーツ

一通り図は完成したのだが、いくつか追加する必要が出てきた。

そうこうしているうちに、富山の布村先生から、お願いしていた荷物が届いた。箱を開けると標本が数本入っている。


この瓶の中には、Cubaris iriomotensisという種の標本が1個体ずつ入っているのだが、、、実はこれ、とっても大事な標本。とくに重要なのは左の瓶で、「Holotype」という文字が読める。では、Holotype(ホロタイプ)って何?

新種は普通、「これまでに報告されていない形態をもっているので、これは新種ですよ!」として発表される。その形態の証拠となるのが、このHolotypeで、現在では、新種を発表する際には、必ず1標本を指定しなければならない。つまり、これこそが正真正銘のCubaris iriomotensisなのである。まさに、世界に一つだけのキューバリス・イリオモテンシス。

そして、このHolotypeは普通、博物館などで「永久に」保管される。もし、紛失してしまったら、種の基準が分からなくなってしまうので、、、。最近は、博物館がエンターテイメント化してきているけど(学芸員さんの意向ではなく、社会の風潮?)、博物館の本当の、そして、最大の意義は、このような標本の管理であることを忘れてはいけない。多くの博物館では、人材もお金も足りなくて、標本の管理がままならないそうだ。

ちなみに右の「Allotype(アロタイプ)」は、ホロタイプと別の性の標本が指定されたもの。本種のHolotypeは雄なので、Allotypeの瓶には雌が入っている。

2011年3月29日火曜日

こころ


ダンゴムシに心はあるのか (PHPサイエンス・ワールド新書)

著者から頂いた。著者には昨年、本学に来て頂き、この本の内容を講義して頂いた。ダンゴムシに心はあるのか、とても意欲的なタイトル。

まず、全体の印象から。

ダンゴムシ(もしくは、土壌動物)の本として、読むと少し困惑すると思う。著者の最大の目的は「心とは何か」を解明することで、その対象動物としてダンゴムシを選んだのである。ダンゴムシの詳しい生活については、ほとんど書かれていない。

本来の趣旨とずれてしまうが、この本を読んで、私が一番感動したのは、動物行動実験において、「普通ではない環境(本では、未知の状況)」で実験することの意義を見つけたこと。日高著「動物の行動(1982)」の序文に、「このような研究(行動研究のこと)、、、自然界での彼らの生活の中でどういう意味をもっているのかという問いかけと結びついていなければ、あまり生物学的なものとはならない」と書かれている。当然のように、私もこのように考えており、サルに鏡をみせたり、鳥にピカソを覚えさせる実験などは、発達した脳をもつ生き物を対象にした稀な実験と考えていた。

しかし、著者は、未知の状況、つまり、自然界ではありえない”であろう”状況をダンゴムシに経験させることで、様々な知見を発見し、発達した脳をもたない動物を対象とした特殊な条件下の実験の意義を示した(道具の使用や知能にも言及)。これは、動物の行動研究の幅を大きく広げた、と言っても過言ではない。

そして、何より面白いのは、第2章に描かれているアイデアに富んだ様々な実験系である。見た目の面白さに気が惹かれてしまうが、そこから得られるデータは示唆に富んでおり、著者の視点の鋭さに驚かされる。科学の本当の魅力は、正に、このアイデアを生み出すことだと思っている。ただ、これには「生みの苦しみ」が付いて回るので、学校現場などでは扱われることなく、”あのつまらない理科をつまらないまま”教えてしまうのだろう。

少なくとも理科の先生には、大学でこの魅力に触れて欲しい。

さて、本題の「心」の部分。私は普段、「心」について深く考えることはないので、この本を読むにあたって、心、、、感情?、と意識した程度だった。著者は明確に心を「余計な行動を抑制する隠れた活動部位」と定義する。そして、未知なる状況にさらされると、この抑制がはずれ、思いがけない行動が観察できる、というのが著者の研究方針である。

私としては、まだまだ議論の余地があると思っている。まず「心」と呼ぶ必要があるのか?例えば、先日紹介した長谷川著「動物の生存戦略」には、「周囲の情報から適切な情報を選び出し、あり得る行動の選択肢の中から適切なものを選ぶ」ことを意思決定と呼び、それには「脳内の何らかのアルゴリズム」が関わっている、としている。つまり、一つを選ぶ「アルゴリズム」と、一つ以外を抑制する「心」、となり、これらは表裏一体の関係にあると思う。

第1章に「隠れた行動」が「心」であるという定義の説明が書かれているのだが、少しモヤモヤしてしまう(ただし、読む前は、もっと悩むと思ったが、予想以上にすっきりしていた)。きっと、著者も一番悩んだのではないだろうか。非常に論理的な文章だと思うが、「気配を感じるから、何か見えないもの(心)がある」という論調は少し無理があると思う。実感としては分かるが、そもそも内にあるものをどうして感じることができるだろうか。その説明が必要だろう。この個所が少し推測が強すぎて、少し残念に思った。

議論すべき点が多く残っているからこそ、今後、さらに発展するのだろう。正に、表紙に書かれている「The important thing is not stop questioning(問いかけ続けることこそが重要だ)」だろう。

動物を研究するなら、一読する価値はあります。

そのうち、世界一受けたい授業とかに出るかな?

注:「筆者」を「著者」が混在して分かりにくかったので30日に全て「著者」に修正しました。

2011年3月28日月曜日

再実験へ

卒論のコシビロPCRは、16Sは全てシングルバンドが確認できたが、COIarchはイマイチ。プライマーをISOPODに変更して再実験の必要がある。

土壌動物学会で発表予定のサソリモドキのシークエンス結果を学生と検討してみたが、八重山のサンプルがイマイチ。こちらもプライマーを変更して再実験の必要あり。


Cubaris論文で最も重要な図が一応、完成。バランスなど、もう少し修正が必要だけど。

2011年3月27日日曜日

何気に快挙

昨日は、久しぶりに家でダラダラ。今日は、卒論のPCRをちょっと手伝った後、足りないSEM写真を撮影。

感動する、と評判の甲子園の選手宣誓。確かに、感動しました。震災の年に生まれた、というこでとで、より気持ちがこもったのかも知れませんが、言葉に気持ちが入っている、とはこのことか。

さて、全くテレビでは報道されないだろうけど、昨日の深夜、快挙が達成されていた。ドバイワールドカップという、世界最高峰の競馬のレースで、初めて日本の馬が優勝しました。ちなみに、2着も日本の馬。

競馬の世界では、(私の勝手な主観だが)世界最高峰のレースとして、フランスの凱旋門賞、アメリカのブリーダーズカップクラシック、そして、このドバイワールドカップ、がある。いずれも日本の馬は優勝したことがなく、最高は、凱旋門賞(エルコンドルパサー)とドバイワールドカップ(トゥザヴィクトリー)の2着だった。

競馬を行う会場の地面は、芝とダート(砂)、そして、最近の流行で今回の会場でも使われていたオールウェザーと呼ばれる人工物のいずれかが敷かれている。また、同じ芝でも短く刈られている場合と長く刈られている場合、雨が降った直後と乾いた状態では、全く別ものとなる。馬は、それぞれ得意・不得意があり、競馬好きはこれを考えるのが楽しかったりする。

ヨーロッパは、芝のレースが中心だが、芝は長く、脚に絡み付くため、スピードだけでなく、パワーも必要となる。また、アメリカやドバイはダートが中心で、最近はオールウェザーに代わりつつある。さて、日本は伝統的に芝のレースが人気があり、最近は、短く刈り込まれた高速レースが多い。したがって、血統に人為的な選択圧が働き、結果的に、日本にはスピード重視の競走馬が多くなった。

日本の競走馬のレベルは非常に高いのだが(外国の馬が日本にきてもナカナカ勝てない)、海外に行って勝つには、それぞれの競馬場への適正が重要となる。今回は、日本ではほとんど使われていないオールウェザーだったのが、前評判では芝に似ているということだったので、日本馬にもチャンスがあると期待していた。また、怪物級の馬がいないのも幸運だった。

そして、今回のレースで本当に面白いのは、有馬記念(芝)の勝ち馬ヴィクワールピサとフェブラリーS(ダート)の勝ち馬トランセンドが1、2着だったこと。この2頭が日本で同じレースに参加することはまずあり得ないのである。

2011年3月25日金曜日

卒業式

今日は、卒業式。毎年のコトながら、2年間(+α)一緒に過ごした学生がいなくなるかと思うと寂しかったり、でも、いつまでもいられても困るわけで、と不思議な気持ちになる一日。

式には出席せず、祝賀会なるもののみに参加。


キット、卒業式当日は、色々と忙しくなるだろう、と言うことで、研究室の追いコンは先日、終えていた。


今年の卒業生は、私が赴任した年に2年生で、人生初の授業を受けていた学生なので、記憶に残っている学生が多い。

卒業生が、研究室に所属してから、あっという間の2年間(+α)でした。もっともっと色々なことができるのに、と思うこともあったが、とても明るい研究室にしてくれた。進学する学生が多いので、変化があまり感じられないかも知れないが、本研究室の卒業生としては初めて教員として働く学生がいる。残念ながら、世の中には色々な人がいるので、良い職場に恵まれることを今は祈るのみです。

地道にCubarisの写真の整理も続けた。スケールが抜けていることに気づいたり、レイヤーに貼付けていたつもりが、普通に貼付けていたり、ミスが続出で、匍匐前進が続く。

とても大事な電話がかかってきた。どうなる?

学生が頑張っているサソリモドキが、ややまずい状況。こちらもどうなる?

2011年3月24日木曜日

なかった

午前中は卒業研究の手伝い。コシビロのDNA抽出で、どうにか終了。来週、PCRをするので、それまで上手くいったのかは不明。大丈夫でしょう。

午後からは昨日の続きで、写真の整理。突然、画像が粗くなったりと、まだまだ苦戦する。


この形質が、属を分けるときにとても重要となる。雄はどうにか終了。明日からは雌に取りかかる。

今日は、雑用がなかった!!忘れてるだけか?

先日、日テレでやってたジブリ特集はなかなか面白かった。もののけ姫以降、宮崎駿監督の作品がイマイチ面白く感じなくなった理由も分かった気がする。

さて、結構知られているみたいだけど、私は始めて知ったトトロにまつわる話。良く目にする映画公開時の宣伝ポスター(上から3番目)。トトロの隣に女の子が一人いる。ぼ〜っとしか見てなかったので、劇中の名シーンの一つ、バス停でお父さんを待ってたらトトロが現れるシーン、と同じだと思ってだけど、こっちは、サツキとメイの二人がいる。

これは、元々、トトロは一人っ子の話だったのが、公開時間を伸ばすため、姉妹の話にしたのが理由らしい。ポスターの女の子は、服装はサツキと同じだけど、顔付きや髪型はメイちゃん風。

えなりのトトロ、、、良いセンスしてるな。都市伝説も多いのだが、なかなか鋭い観察をしていて、面白い。内容は怖いけど。

2011年3月23日水曜日

ずっとやってた

朝一で、厄介書類を提出。共著者共々、疲労困憊といった感じ。そして、恐らく、無意味な書類書きだったと思う。

(今気づいたが)会議があったらしいが、今日は、ずっとPC作業をしていた。InkscapeとGIMPの使い方を、いつものごとく忘れてしまったので、思い出しながらの作業。久しぶりに研究で終わった一日なので、何か大事なことを忘れているのではないかと不安になる(会議を忘れてたけど)。

今日は、後期日程の合格発表だったらしいが、密かに、大学院の合格発表でもあった。本研究室の学生が無事に合格。4月からは3名の大学院生が本研究室に所属する予定。他大学からの進学も歓迎しています!大学院への進学を考えいている人は、是非、検討して下さい。

第1、第2腹肢は、SEM写真が上手く撮れなかったので、Inkscapeを使って線画を描いた。絵が下手だな、これが理由でリジェクトされたら恥ずかしいな。


胸脚はSEM写真を使うが、脚ごとで結構明るさが異なることが判明。写真の加工はあまり良くないけど、明るさは大丈夫かな?

第1胸脚
第2胸脚

Inkscapeで気づいたことをメモしておく。

Shiftを押したままノード(オブジェクト)を指定することで、複数のノード(オブジェクト)を指定できる。ノードの連結は、2つのノードを指定してから行う。

複数のオブジェクトの指定:左クリックを押したままカーソルを動かした範囲内を全て指定できる。

線の太さや色の指定:Object⇒Fill and Stroke

2011年3月22日火曜日

行動生態学の魅力

厄介書類はほぼ終了。明日に少し残したが、もう無理、といった感じ。

Cubarisの交尾器SEMは上手くいかず。線画で対応するしかない。

結構前に読んだ本。一応、メモ。


動物の生存戦略--行動から探る生き物の不思議 (放送大学叢書)

行動生態学の分かりやすい教科書。長谷川眞理子さんの本はとても分かりやすいので、文系大学生で生態学(物質循環とかは出てこない)を勉強したい人にはお勧め。「進化とはなんだろうか」を読んでから、本書を読めば、動物の行動の見方が変わると思う。「動物の行動と生態(絶版かな)」はほぼ同じ内容なので、本書かどちらかを読めばOK。

個人的意見だけど、行動生態学を勉強したことで、とても良かったことは、科学について考えるきっかけになったこと。生物学の実験は現象の観察が多く、分野によっては、いわゆる、仮説検証の実験をしないことが多い。また、生理学などのミクロな分野では、生体現象のメカニズムの解明を扱い、いわゆる、生物学2つのナゼ(メカニズムと進化)について考えることが少ない。

そもそも、動物の行動研究には、2つのナゼどころか、4つのナゼ(答え方)が存在する。どういうことかと言うと、ある一つの行動に対し、「ナゼ、こんな行動をするのか?」と問いかけた場合、(1)その生理的なメカニズム(至近要因)、(2)それを成長過程でどのように身につけたのか(発達要因)、(3)それはどのような適応的価値があるのか(究極要因)、(4)進化過程のいつから行うようになったのか(系統進化要因)、と答えが4つ存在する、ということ。したがって、研究するときは、これらを区別する必要がある。これを指摘したティンバーゲンはノーベル賞を受賞している。

行動生態学では、このうち究極要因、つまり、行動の適応的意義を解明する学問である。そこで、(学校教育風に言う)科学的なものの見方、つまり、仮説検証実験が不可欠となる。適応的とは、分かりやすく言うと、生存率や繁殖率が他の方法に比べて高いということなので、他の条件よりも生存率が高くなるハズ、と仮説を立てることができ、その検証実験が可能となる(できないこともある)。とくに、学校教育現場では、生物=顕微鏡観察、といった印象が強いので、このようなプロセスを経験するにもよい研究分野だと思っている。

明日からは、しばらく研究に集中できそう。

嬉しい連絡も届いた。良かった。

2011年3月21日月曜日

ふるさと

厄介書類が、、、。もう焼け糞。キット、学生レポートって、こんな感じで最終的にはどうなっても良いって感じで提出するんだろうな。ん〜、読む人のことを考えると、もう少し頑張ってみるか。

とは言え、いつものことながら、すぐに飽きてしまう。

ということで、震災後、久しぶりに実家に連絡をしてみる。怪我などが無いことは既に確認していたので、その点は安心。

私は、生まれは茨城県の日立市で、育ったのが茨城県の神栖市というところ(私がいた頃は町だったけど)。大学に進学してからは、数えるほどしか帰っていないが、偶然、今月の4〜6日に帰省していた。一週間ずれていたら地震に直撃したいた。




テレビでは、岩手と宮城、あと、福島の原発しか報道されていないが、実は、こっちの方もかなりの被害を受けているので書いておく。

実家は大きな破損はなかったようだが、道路は地割れがヒドいみたい。全体的に家が歪んで見えるので、変な気分になるって、、、。このブログで少し見ることができる。ちなみに、香取市佐原という名前が出てくるが、ここにある高校に通っていた。

地震後、3日ほど停電になったが現在では復旧したそうだ。ただ、浄水場が壊れたようで、水道は復旧のメドがついていないとのこと。給水車で配給されているようだ。やはり、ガソリンは不足しているみたいで、長蛇の列とか。「ガソリン待ち行列者向け食べ物販売業」が成り立っているとか。

小学校は震災後から休講で、そのまま、今月末まで休みとのこと。

停電でテレビが使えなくなり、情報が得られなくなったのが不安だったようで。テレビとかネットの励ましの言葉とかは、現地の人にはあまり通じないのかも。

鹿島臨海工業地帯の町なので、海岸には埋め立て地が多く、当然、工場も多い。地盤沈下もあったりと、会社関係の復旧はこれからといった感じらしい。

そして、予想以上に深刻で驚いたのが、姉が千葉県旭市というとこに住んでいるのだが、全く報道されていないが、市のHPを見たら、地震と津波で300件以上の住宅が全壊だとか。姉の家もかなり沈んだそうだ(周辺が浮いた?)。

命の保証ができたら、次は、復興に向かうことになるけど。現実的なお金の問題をどうやってフォローするか、これが大きな問題になるか。保険の払い戻しは1兆円を超えるとか。困難な状況につけ込む詐欺がいるので、お年寄りなどが一人で判断しないように、地域で監視する必要があるだろう。

緊急を要する物資はそこそこ集まっていると聞く。これからは地道で気の長いフォローが大事になっていくと思う。震災直後、福岡の献血センターは数時間待ちだったそうだけど、血小板は採血後、4日間しかもたないので、(もし不足しているならば)気長に献血することが大事になる。

復興しているうちに経済が止まっても良いことはないので、被害の無い地域では、電気とか物資とかで迷惑をかけないように、普通の生活を送るのも大事になってくる時期かと思う。九州は12日に新幹線が開通して、観光業が盛り上がることを期待してたけど、むしろ、落ち込んでいるそうだ。完全に忘れられているけど、狂牛病口蹄疫や鳥インフルエンザで、九州の農家は大きな損害を受けたことも忘れてはいけない。

2011年3月20日日曜日

どうなんでしょうかね

ソーティングが終了。少し研究室の片付けをして、久しぶりにCubarisの観察。交尾器をSEM撮影したいのだが、全てプレパラート標本にしてしまったことが発覚。とりあえず、プレパラート標本を分解してみる。封入液がキレイに除去できるか。

線画も書き始める。今回、トレースは全てInkscapeで行う予定。


厄介書類は、さらに厄介さを増して、明日、集中審議になった。明日はCubarisは無理そう。

泣けると評判の劇場版ワンピース。劇場版の長編アニメとしては、どうなんでしょうかね。名作と言われるような、ラピュタとかモンスターズインクとかと比べると、かなりの差を感じ、個人的には、コナン君の方が面白いと思った。やっぱり、漫画の世界観ありき、かと。コナン君とかドラえもんみたいに、一話完結のアニメの方が劇場版には良いのかも。まるちゃんとか、どうかな。

「人の命を救いたきゃそれなりの知識と医術を身につけな」って台詞は、良かった。何かをするには、「知識」と「技術」が必要ということか。この本とも通じる

チョッパーはトナカイというのは知ってたけど、♂だということを始めて知った。鹿の仲間は普通、♂にのみ角が生えるのだが、実は、トナカイは、♂と♀の両方に角が生える珍しい種類。♂にのみ角が生えるのは、♀をめぐって闘うためで、いわゆる性選択の結果。では、なぜ、トナカイは♀にも生えるのかというと、どうも、冬に雪を掘って餌を探すためらしい。こちらは自然選択が働く。

知らなかったけど、♂は夏に角が生え、♀は冬に角が生える、そうだ。あそこは、冬島でずっと雪が積もっているので、ずっと角が生えるような自然選択が働いても良さそう。だから、チョッパーは角が抜け落ちないのかな?

トナカイと言えば、サンタのそりを引くのが有名。冬に角が生えているので、、、あれは♀。

2011年3月19日土曜日

宇美回収

調査地Umiのピットフォールを回収。ササラダニも1地点で採取。これで、今年のヒノキ林冬の調査が終了。次は今夏にピットフォールを設置するのだが、その前に、毎木調査をしなければならない。なかなかシンドイ作業になるだろうな。

行き、朝9時頃、九州自動車道福岡IC辺りで、下りが5kmほど渋滞しており、予定より30分ほど遅れて待ち合わせ場所に到着。帰り、13時頃、携帯で渋滞情報を調べたら25kmの渋滞だった。帰りは上りなので空いてたけど。無料化は無謀かも。低速道路になってる。あまり使わないから実害は少ないけど。

国道3号線も福岡方面はスゴく混んでた。どこに行くのかな。

洗い物したり、ササラダニを処理した後、厄介書類の打ち合わせ。本丸は、明日と明後日で仕上げましょう、、、ということで、本日のところは終了。

すでに17:30。頭がボーっとしているが、今日中にソーティングを終えないと、マズいよな、、、。

2011年3月18日金曜日

城山回収

午前中、会議に出席した後、昨日、回収したピットフォールをソーティングしつつ、合間に、裏山にピットフォール回収に行ってくる。一気にソーティングを終えるつもりが、あの厄介な書類問題が再燃。どうやらこの書類に3連休を使うことになりそう。

裏山から市内を一望

どうにか調査地SasaguriとJoyamaのピットフォールのソーティングを終える。

ピットフォールで採集されたヒメフナ

あまり動物は採れていないが、予想外の動物も採れた。

明日、調査地Umiにピットフォールの回収に行って、ヒノキ林の野外調査は終了。できればソーティングを明日中に終えたいが、厄介な書類が、、、。

2011年3月17日木曜日

篠栗回収

フットサルをやる予定だったが急遽、中止に。怪我せずにすんだ。

先日、設置した調査地Sasaguriのピットフォールを回収。早速、ソーティングをするが、やはり、あまり動物は取れていない。

明日、明後日とピットフォールの回収が続く。幸か不幸か動物があまり取れていないので、ソーティングはすぐに終わりそう。ということで、ヒノキ林関係は日曜日までに片付けて、月曜日からはCubarisに戻りたい。応動昆が中止になったので青色ワラジムシはしばらく放置しておく。

Cubarisは今月中に片付けて、4月と5月は、今年上半期の最大の目標となる国際学会用にコシビロに集中しなければまずい、、、。でも、ヒノキ林の毎木が入るはず。あと、卒論と修論もあった、、、。

2011年3月16日水曜日

宇美ピットフォール

調査地Umi5地点にピットフォールを設置。かなり雪が降ったらしく、林道には雪の重みで折れた倒木が沢山あった。また、土壌水分が凍結し体積が増えた後、融解して体積が減少したことが原因と思われる、巨大な落石が多々あった。それらをどかしながら現地に向かったのだが、トラップの設置以上に時間がかかった。ということで、雪解け時期に林道を通る場合は落石に注意。

ノコギリで切断中

正式な名称なのか不明だけど、米軍による震災の救助活動は「Operation Tomodachi」と呼ばれているそうだ。

福岡でも缶詰や水の買い占めが起こっているとか。震災被害の無かった地域に住んでいるので、現地の心情は分からないが、子どもが見ていますよ。手本になるような行動をとらないと。

ネットでは、みんなで譲り合いをしましょう、というのを「ウエシマ作戦」と呼んでいる。由来は、もちろんダチョウ倶楽部のネタ「どうぞどうぞ」。なかなかのセンスだと思った。私は知らないが、節電はエヴァンゲリオンの「ヤシマ作戦」と呼ばれているみたい。

月末の応動昆学会は中止になりました。ということで、青色ワラジムシは、土壌動物学会で初披露ということになりそう。

2011年3月15日火曜日

城山ピットフォール

日本土壌動物学会会員でどろのむし通信54号がお手元に届いていない方へ。
そのうち学会からメール連絡がいくと思いますが、本号に掲載されている第34回日本土壌動物学会大会の案内がこちらのサイトで確認できるようになりました。

調査地Joyama1地点にピットフォールを設置。今週は土曜日までずっと野外作業が続く。

調査地Joyamaは広葉樹。やはり、ほとんどのピットフォールが破壊されていた。数少ない無事なトラップも土壌が浸食してしまい、トラップの上部が地面から浮かんでしまっている。これでは動物が落下してくれないので、作り直しとなる。


ピットフォール用の保存液は2Lペットボトルに入れて持ち運んでいるのだが、、、その容器の上にマダニが登場。

2011年3月14日月曜日

篠栗ピットフォール

日本土壌動物学会のニューズレター「どろのむし通信」が届いた。 大会関係の記事が掲載されている。郵便配達をしていない地域があるようなので、その対応を考えいないといけないかも。

ヒノキ林の調査。調査地Sasaguri7地点にピットフォールを設置。暖かいというよりも暑かった。広葉樹林で壊滅的に調査地が破壊されていた。ネズミとイノシシの影響だと思われる。

ヒノキ林は被害が相対的に少ないのだが、2地点はピットフォールの屋根の部分のみが壊されていた。近くに樹皮はぎが見られることから、シカの影響と思われる。


少しずつ落ち着きつつあるのか、無事ですよ情報が徐々に届く。あれほど大きい地震だと、避難訓練のように行動するのは難しいだろうな、、、。

2011年3月13日日曜日

地震

よくある強い地震だと思っていたが、想像を超えた状況になってしまった。

地元の茨城南部でも道路が陥没して、一帯が停電になったみたい。

福岡にも津波は来たそうだけど、陸地では実質的な被害はほとんどなかったと思う。

とても気になるのが、テレビを見てると、キャスターや記者が分かりやすく伝えるつもりなのか、政府や専門家にYes or Noの二極的な答えを求め、曖昧な返答に対し批判な意見が出ていること。想定される様々な原因から一つを特定することの大変さを知らないのだろうか。

土日は学部と大学院の入試の手伝いで終わった。今週は、ヒノキ林の調査なので、昼間はほとんど大学にはいない。

2011年3月11日金曜日

大地震

東日本でとても大きな地震があったようですね。津波も10mを超えたとか。緊急用の電話が繋がりにくくなるので、あまり電話はかけない方が良いそうだ。被害が最小限に留まることを期待するしかない。

マグニチュードの大きさでは、過去最大レベルとのこと。

今日は、8日に設置したピットフォールの回収。夏よりは明らかに少ないが、何かしらは取れていた。ついでに、先日、撮影するのを忘れた樹冠写真も撮影する。


調査の移動中の車内で神戸大震災の震度の話をしていたときに、 丁度、ラジオで地震の報道を聞いた。何だが嫌な気持ちになる。
 
またまた助成金が落選しましたの通知が、、、連敗が続く

明日は入試の手伝い。午前中で終わりそうなので、午後からポスター作りができるか。

2011年3月10日木曜日

開放

厄介書類は共著者と「も〜いいでしょう、、、」という結末に達し、エイヤで提出。

やっと開放された。来週はヒノキ調査で終わりそうなので、Cubarisは放置し、今月末の学会発表の準備を進める。 解析をしていたら面白いことが分かってきた。データが少ないので、このままでは論文化は難しい。本気で調査しても良いかも。ただ、青色ワラジムシを狙って探すのは現実的ではないかな。

 

解析も一通り終わったので、本格的にポスター制作を始める。とりあえず、必要そうな図をポチポチ貼ってみる。


どうやら、ワンピースの新作映画の公開に合わせて、劇場版をテレビでやるらしい。泣けると評判のこれ。日本テレビのジブリみたいになってきた。もう去年のみたいなことにはならないだろう。

2011年3月9日水曜日

アリバイ

とても厄介な書類書きに悩まされた一日。未だに終わらず。

しかし、他のコトに手を出してしまう。

昨日、温湿度データロガのセンサーが何ものかによって切断されていたことが判明した。データは問題ないようで、無事に回収できたので、切断された日時を推定してみた。

4地点のデータを折れ線グラフで表すと3月7日AM5:00から変な値を示し始めているのが分かる。このときに切断されたのだろう。前日だったのか。


ぼちぼち青色ダンゴムシの準備も始めてみるが、思ったよりも苦戦しそうな気がする。

2011年3月8日火曜日

悲報

珍しく、1日2報。どうしても書いておきたいので。

ササラダニ研究者であり、土壌動物の教材化に取り組まれていた平内好子さんが、先日のNZ地震の被害に遭い亡くなられたとのこと。

平内さんは、日本土壌動物学会が編集した土壌動物の教科書では、29章 学校でできる「土壌動物かんたん実験観察法」、を執筆され、土壌動物を扱った経験のない理科教員向けの土壌動物実験法を紹介しています。また、表紙を開くと最初に目にはいる、カラー写真を用いた土壌動物の検索表も平内さんの作品です。この検索表は、私も大学の実習で使っています。



色々なテレビ番組で報道されているので、ご存知の方も多いと思うが、平内さんは、富山県の高校教員に従事され、校長の職に就かれた後、定年退職されました。その後、もう一度、学生になりたい、という希望で語学学校に入学し、今回の事故に遭われたとのことです。

今朝の新聞に書かれていましたが、教員をしながら生物の研究を続けたのは、自信をつけたかったから、だそうです。教える立場だからこそ、常に学び続ける姿勢が必要なのかも知れないと私なりに感じました。

教育現場について、色々と教えて頂きたいと思っていた矢先の出来事で、残念で仕方ありません。

久山と古賀

久しぶりのヒノキ林調査。調査地HisayamaとKogaにピットフォールを設置。11日に回収予定。

ピットフォールを設置する学生N

調査地Koga-2に設置していた温湿度計のセンサー部分が、動物に齧り取られた。約3万円が、、、。

この先端にセンサーがあった

先日、帰省した際に父親から教えてもらった話。SDカードのこの数字は読み書き速度を表している。詳しいことは良く分からないが、大きな数字程、速いと考えて良いんだと思う。安売りの際には注意が必要。

2011年3月7日月曜日

貴重

実家に新幹線で帰ったら、片道に7時間かかった。腰が痛い。

一応、本日は休日なのだが、会議と締切間近の書類書きのために、大学に来ることに、、、。

横浜からコシビロの標本が届く。これでセグロとトウキョウを決着を付ける予定だったが、そう単純な話しではないことがすでに分かっている。でも、関東の標本をまとまって入手できたのは非常に嬉しい。


明日は久しぶりのヒノキ林調査。今月は、ヒノキ林調査、青色ダンゴムシの学会発表と論文化、Cubarisの論文化、が優先課題か。 横浜の解剖は来月以降になるだろうな。

2011年3月3日木曜日

今の方が

共同研究者から重要なデータが届いた。面白い。

今年は、正月も大学に来たので、明日から代わりの休み。余裕があるはずだったけど、むしろ今の方が忙しいかも。

会議とナカナカ厄介な書類書きがあり、今日は、SEMを整理しただけで終わった。

動物園モドキの続き。

本来は、クジャクが放し飼いになっているらしいが、今は、鳥インフルエンザの影響で檻に閉じ込められていた。繁殖シーズンなのか、求愛行動がよく見られた。羽が派手なのは、オスだけで、メスは結構地味。写真では見づらいが、羽の目玉模様が多いほど、メスにモテルらしい。

あまり面白くないけど、こちらから動画が見られます


クジャクの檻に白色の鳥がいた。アルビノかな?

2011年3月2日水曜日

はずがなかった

SEM撮影に没頭できるはずがなかった。でも、100枚以上を撮影した。この中からどれくらいが使えるだろうか。

SEMで撮影すると色々と発見があって、やはり面白い。


石垣で採集したCubarisの腹尾節。下側が広がるので、和名で「コシビロ」とついている。写真では白の点々が見えるが、これは私の撮影ミスではなく、小さな構造が散在している。


腹尾節を拡大した写真。白色に見える構造を楕円形の構造が囲っているのが分かる。どのような機能を持っているのかは不明。

国際学会から返信がきた。発表はできるみたい、、、多分。また、来年の6月に国際甲殻類学会がギリシャのアテネで開催されるらしい。アテネは行ってみたい。でも、甲殻類学会は、エビ、カニばかりだろう。

2011年3月1日火曜日

何とか、、、

Cubaris論文化に向けてSEM撮影を始める。悪銭苦闘の末、どうにか、雄の胸脚の撮影が終了。明日は、SEM撮影に集中できそうなので、全て終えてしまいたい。

動物園モドキの続き。

猿山がいくつかあったが、一番面白かったのが、何とかリスザル。名前を撮影するのを忘れた。とても小さいサルで、かなりの数が飼育されていた。水を飲むときに、手を使ってすくうように飲む個体もいた。学習かな?


ついでにワラジムシも調べてみる。タテジマコシビロダンゴムシがいたら良いな、と思って探したが発見できず。



石の下からクマワラジムシの集団を発見。なかなか良い感じで周辺がボケた。


クマワラジムシの腹面。白く見えるの白体とか偽気管とか呼ばれる部位。日本では2対の種はほぼ外来種だと思って良い。水生の種は、この部位が鰓になっていて、鰓呼吸をするらしい。陸生の種もこの気管を使って空気を取り入れている。

よくよく見ると尾肢の先端から液体が出てる。防衛物質かな?クマワラジムシも出すのか。

ニュージーランドの地震は大変なコトになってきた。