2011年10月1日土曜日

色々

午前中は、Burmoniscus第1段問題について勉強。勢いで、第2段のお絵描きをしてしまった。

さすがに、科研費書類のための勉強をしなければと文献探しをしていたら面白い論文を発見。

Genetics of pigmentation in Porcellio scaber Latreille, 1804 (Isopoda, Oniscidea)
Bhella et al. (2006) Crustaceana, 79: 897-912

縁が白いのが気になる、、、ん〜、とても的を得た疑問だったようで、この論文でも議論されている。

掛け合わせ実験を行い、ワラジムシの体表面の色彩の遺伝様式を調べている。F1とか優性、劣性とか出てくるやつ。遺伝様式の詳しいとこはちゃんと読んでいない、、、。

1.縁が白くなるのは、1遺伝子座の2対立遺伝子で説明できる。また、これらの遺伝子は、オレンジやアルビノ個体は必ず縁が白い(薄い)ので、体表面の色彩とは独立して遺伝すると思われる。

2.眼の色彩は2つの遺伝子座によって決定している、、、?(体表面の色との関係は良く分からない)

3.Johnson(1984)がコシビロダンゴムシの1種で調べた結果、体表面の色彩と、水分要求量、交尾選好性、排泄様式?、体温調節などの間に関係性は見られなかった。多分、体表面の色彩の多様性は適応形質ではない。

4.本種もオカダンゴムシも色彩が多様になるのはメスのみ。色彩の多様化には、性ホルモンが関わっていると考えている。

5.ワラジムシ類の色彩を決定する詳しいメカニズムは分かっていないが、予想は、元々は白色で、そこに、薄色が着色されるとオレンジになり、さらに、濃色が着色されるとグレーになる、というもの。

オカダンゴムシの例から、体表面の色彩は遺伝形質ではないと思ってたけど、違うみたい。と言いつつ、核心部分をちゃんと読んでいないので良く分からないのだが。こんな感じの実験で分かるだろうと思っていたけど、繁殖まで1年ぐらいかかる動物で実験するのは、かなりしんどそう。Johnson(1984)の調査に興味がある。

日本産の種だと、ハマダンゴムシはかなり色彩に変異があり、調べたら面白いかも。ちなみに、フナムシは光を当てると白く、暗くすると黒くなるのだが、色素顆粒というものが拡散したり凝縮したりするのが要因らしい(武田, 1982)。

競馬シーズンが始まってしまった。明日はスプリンターズS。外国馬が強いみたい。フランスでは凱旋門賞が行われる。日本からは、天皇賞がヒルノダムールと昨年の2着馬ナカヤマフェスタが参戦。ヒルノは有力候補だとか。